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「社内だけで悩むより、外に出る経験を」—人事として社員を“外の世界”につなぐ。マイスターコースで広がった視野

 「人はどうしても内向きになりがちだ」―そう感じていた佐々木将人さん。現在は株式会社ジャパンセミコンダクターにて、人事のグループ長を担当。複数の業界・企業、そして海外での経験を重ねるなかで培ってきたのは、「外に出ることで人は変わる」という確信でした。
 本学のリカレント教育プログラム「マイスターコース」への参加は、その考えをさらに深める転機になったといいます。異業種の人々との対話から得た気づき、社内で挑戦する際の葛藤、そして人事として目指す組織の姿について語っていただきました。。

目次

・「社内だけでは殻を破れない」– 参加の動機 –

・外の世界に出る経験– “30分の経験が100時間の悩みに勝る” –

・「自分がついていけるのか」– 参加前の不安 –

・視野を広げた一言– “ジョイントベンチャーすればいい” –

・社外の学びを社内へ– 挑戦と葛藤 –

・多様性が組織を強くする

・人が成長する環境をつくる

・迷っている人へ「やらない後悔より、やった後悔の方がいい!」

プロフィール

佐々木将人さん:複数の業界・企業での勤務を経験し、現在は企業の人事領域に携わる。国際系大学での学びや海外経験など多様なバックグラウンドを持ち、社外との接点を通じた人材育成や組織活性化に取り組んでいる(取材当時)。

「社内だけでは殻を破れない」-参加の動機-

— まず、マイスターコースに参加しようと思ったきっかけを教えてください。

 誰しもそうですが、「同じ会社で、同じ人たちと、同じ仕事をしていると、考え方が固まって内向きになってしまいがちだ」と感じることがありました。
 自分自身は、複数の業界・企業を経験してきました。さらに学生時代には、多様な国籍の学生が集まる大学で学び、海外経験もしました。振り返ると、「外に出る経験」が自分を成長させてくれたと強く感じています。
 だからこそ、社員にも同じような機会が必要だと思うようになりました。社内だけで悩み続けるより、外に出て違う人と話す方が、ずっと大きな変化が生まれることがあるからです。

外の世界に出る経験-“30分の経験が100時間の悩みに勝る”-

— 社外の経験には、どのような価値があると思いますか。
 
 私は、「30分の経験が、100時間の悩みに勝ることがある」と考えています。深く思考することは大事ですが、場合によっては、同じ発想のなかでぐるぐる回ってしまうこともあります。でも、社外の人と話したり、違う環境に身を置いたりすると、一瞬で視野が広がることがあるんです。異動でもいいし、社外のコミュニティでもいい。とにかく「外に出る経験」が大事だと思っています。
 ただ実際には、社員が自分から「外に出る経験をしたい!」と言い出しにくい状況も多々あるかと思います。だからこそ会社が場を作らないといけない。私は人事担当として、自分がその「社外とのインターフェース」になることも役割の一つだと認識しています。

「自分がついていけるのか」-参加前の不安-

— マイスターコースへの参加にあたって、不安はありましたか。

 ありました。社外の方々は経験も知識も豊富な方が多いので、「自分がついていけるのだろうか」という不安は正直ありました。でも実際に参加してみると、異業種の人たちと話すこと自体がとても刺激的でした。社内ではなかなか出てこない発想や考え方に触れることができて、すごく新鮮でした。

視野を広げた一言-“ジョイントベンチャーすればいい”-

— 特に印象に残っている出来事はありますか。

 マイスターコースのグループワークにおいて、地域人材の活用方法について検討するなかで判断に迷っていた際、参加者の一人から「ジョイントベンチャーをすればいいんじゃないですか」と言われたことです。私の会社はグループ会社の子会社という立場なので、どうしても組織の枠内で考えてしまうんですね。私自身、会社のルールや構造のなかで何ができるかを考える癖がついていました。
 でも、その一言を聞いたとき、「会社や事業を創るというような発想を、自分たちの企画レベルでも考えていいんだ」とハッとしました。ビジネスって、もっと自由に考えていいんだなと。その瞬間、自分の視野が一段広がった感覚がありました。

社外の学びを社内へ-挑戦と葛藤-

— 社外で得た学びを社内で生かすことはできましたか。

 もちろん生かしたいと思っていますが、一工夫が必要だと思っています。社外で得た新しいアイデアを社内で実践しようとしても、思ったように進まないこともあります。でも、それは当然だと思っています。会社は一人で動くものではありませんから。 私は「自分の周りを少しでも良くしたい」という気持ちで仕事をしています。家族や同僚を幸せにしたいですし、自分の会社にも成長し、ビジネスで勝ってほしい。自他ともに納得できる生き方をしたいと思っています。だから、焦るのではなく、少しずつでも発信し続けることが大事だと思っています。

多様性が組織を強くする

— 組織における多様性については、どのように考えていますか。

 私は、多様な視点がある組織ほど、変化に強いと考えています。投資の世界に「卵は一つのかごに盛るな」という格言があるように、組織もまた、価値観や考え方が一つに偏ることでリスクを抱えやすくなります。
 もちろん違う意見をまとめるのは大変です。すり合わせにはエネルギーが必要です。でも、それによってより良いものができるなら、そのプロセスは無駄ではありません。むしろ、そういう議論を楽しめる人たちが集まる組織の方が強いと思います。
 学生時代も含め、今まで多様な背景をもつ人たちと交流してきました。異なるバックボーン、バックグラウンドを持った者同士が意見を交わし合った際に生まれる熱量は、シンプルに刺激的で楽しいものです。

人が成長する環境をつくる

— 最後に、参加を迷っている方へメッセージをお願いします。

 社員一人ひとりが「より良いエンジンを積める」ような環境を作りたいと思っています。内向きで同じことばかり言っていると、どうしても疲れてしまいます。もし「なりたい自分」と「今の自分」にギャップがあるなら、「じゃあそこに向かって一緒に頑張ろうよ」と言えるような環境をつくりたい。私は人が成長していくプロセスに関わること自体が好きなんだと思います。

迷っている人へ「やらない後悔より、やった後悔の方がいい!」

— 人事として、これから取り組みたいことはありますか。

 私は「やらない後悔より、やった後悔の方がいい」と思っています。学びというのは、自分が変わったことを一番実感しやすい方法だと思いますし、基本的にマイナスになることはほとんどありません。もし「未来の自分にちょっとワクワクしたいな」と思うなら、一歩踏み出してみる価値はあると思います。昨日の自分より、今日の自分の方が少し楽しい。そんな人生が続いていくといいですよね。

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