— もともと臨床で働かれる中で、なぜ予防に関心が向いたのでしょうか。
病院、特にリハビリ病棟だと、来られるのは高齢者の方がほとんどです。70代、80代、90代の方も多くて。その方たちが口々に言うのが、「もっと早いうちに何とかすればよかった」という言葉でした。
もちろん、病気の内容によってはどうにもならないこともあります。でも、「もっと早く何かしておけば、そうならずに済んだかもしれない人」も、たくさんいると思ったんです。
それともう一つは、自分自身が子どもを育てながら働く中での実感です。忙しい中で体調を崩したり、産後の腰痛を抱えたまま働いたりして、結果的に仕事を続けられなくなる同僚もいました。「忙しい人たちが、どうやったら心身ともに健康でいられるんだろう?」という問いが、自分の中で大きくなっていきました。
高齢者の方の“もっと早く”という思いと、働き世代の“今、忙しい”という現実。この二つの軸があって、「だったら予防だ」と思うようになりました。