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「経営者だから一番学ぶ」—成長を積み重ねる覚悟と、マイスターコースで再確認した“学び続ける経営”

 「経営者だから一番勉強するんですよ」。そう言い切る姿勢の奥に、強い責任感と倫理観がある。社会福祉法人の理事長と株式会社の代表取締役を兼ね、地域に根差した福祉と経営の進化に挑む明石秀伸さん。現場改革、DX化、多様な人材の包摂、そして“外へ出て学ぶ”姿勢——。マイスターコースでの学びを通じて、何を再確認し、どこへ向かおうとしているのか。率直な言葉でうかがいました。

目次

  • 「一日0.1%でも成長すれば、一年間で36.5%成長する」—経営者としての原動力—

  • トップダウンからボトムアップへ —「若手職員の提案から」—

  • DX化の本質 —利用者と向き合う時間を増やす—

  • 外へ出る力 —実学とネットワークが視野を広げる—

  • 恥じない経営 —介護を“サービス業”として再定義する—

  • 迷っている人へ —「最初の一歩を踏み出せるかどうか」—

プロフィール
明石秀伸さん:株式会社を創業し、事業を拡大。2025年5月より社会福祉法人の理事長に就任。二つの法人をグループとして同時に発展させることを目標に、地域貢献と持続可能な経営を両立させる改革を進めている。九州各地を往来しながら、介護経営研究会や業界団体での学びと実践を重ねる。

 

「一日0.1%でも成長すれば、一年間で36.5%成長する」— 経営者としての原動力 -

— 経営の原動力は何ですか。

新たな学びや出会いそのものです。組織のメンバーにも「現状維持は停滞となる。でも、一日0.1%でも成長すれば、一年間で36.5%成長する」と伝えています。継続は力なり。努力は嘘をつかない。最初の一歩を踏み出せるかどうか——。その言葉どおり、外に出て人と会い、他流試合の中で自分を磨いてきました。医療や福祉の専門職として専門分野を磨くのは大切なことですが、その領域にとどまっているだけでは、環境変化に対応できないと思っています

トップダウンからボトムアップへ — 「若手職員の提案から」 -

— 組織運営で大切にしていることは。

コロナ禍では、介護施設で面会ができない状況が続きました。そのようななか、若手職員から「インスタントカメラを購入してください」と言われました。「いいけど、なんで?」と聞くと、「入居者さんの声と写真を、面会できないご家族に届けたい」という提案でした。この瞬間、現場の課題は現場の職員が一番理解していて、よい改善提案も現場から出てくることを実感しました。まさにこれが、組織をトップダウンからボトムアップへ舵を切る転機でした。この提案をした職員は、法人では最年少の管理職に就任しています。

利用者のニーズを出発点に、現場が改善提案をする文化が育てば、組織は必ずよくなっていくと思います。挑戦を促し、失敗は歓迎する。ただし利用者に直接迷惑がかかる線は越えない。「責任は全部俺が取る。法人として守る」。心理的安全性を担保することが、挑戦を生むと考えています。

DX化の本質 — 利用者と向き合う時間を増やす -

— 現場改革について教えてください。

職員は皆、「利用者さんと真摯に向き合いたい」と言って入社してきます。一方で、記録・申し送りなどの事務作業が多いのも実態です。事務作業はおろそかにはできませんが、その現実を直視し、DX化を進めています。音声入力の導入も構想中です。外国人スタッフが増えるなか、書いて記録するより話して記録する方が効率的で、自然だからです。日本語の難しさも理解し、外国人スタッフ向けに多言語研修や自学環境も整備しました。

事務作業を簡素化すれば、入居者と向き合う時間が増えます。介護の本質である“向き合うこと”ができるのならば、職員の仕事へのモチベーションも高まるはずです。

— AIについてはどう考えていますか。

医療現場でも画像診断などでAIが活用されています。いよいよ人の役割は、「対面的な人間力」に移るのではないでしょうか。今取り組んでいるDX化も同じ発想です。効率化は目的ではなく、「向き合う時間を取り戻す手段」なのです。

外へ出る力 — 実学とネットワークが視野を広げる -

— 学びの場には積極的に参加されています。

中小企業家同友会や介護経営研究会、業界団体に所属し、東京や他県にも足を運びます。「経営は理論じゃなく実学」。成功も失敗も生の声で聞く。大分に貢献するために大分だけに閉じこもらない——。外に出ることで、事業にもつながる縁が生まれたこともたくさんあります。

— マイスターコースの印象は。

大学で学ぶのは新鮮、かつ懐かしかったです。30時間超のeラーニングも移動時間を活用して取り組み、体系的な学びになりました。仕事も学びも自分にとって型は明確です。目標を立て、計画し、実行する。大目標は掲げつつ、小さく積み重ねる。時間は作ればある。できない理由より、できる理由を探す。この、いつもどおりのスタンスで臨みました。

恥じない経営 — 介護を“サービス業”として再定義する -

— 経営のスタンスについて。

介護保険制度の下で事業を行う以上、恥じない経営が前提です。収益は結果であり、目的ではありません。法人拡大も私個人の成功のためではない。職員が地域社会の一員として、人生設計、夢を見られる組織にするためです。

また介護は、高度なコミュニケーション能力を必要とするサービス業だと思っています。地域から業界のイメージを変え、介護は誇れる仕事なのだと、待遇と発信の両面から示していきます。

— 経営者としての責任の重さをどう受け止めていますか。

職員とその家族を含めれば、背負う人数は数百人。その意味でも責任の重さを実感します。それでも私は、職員やその家族、そして利用者の方、そして、自身の息子にとって恥じない存在でいたいと思っています。息子の寝顔を見て、また頑張れる。責任は私にとって、原動力でもあります。

迷っている人へ — 「最初の一歩を踏み出せるかどうか」 -

一つエピソードを紹介させてください。私が大学院生時代、他の大学の医学部長と小説家を兼ねている先生と会う機会がありました。物凄く忙しい方ですが、「時間は作ればあるんだよ」というその先生の言葉をまだ鮮明に覚えています。

スマホで動画を見るのに時間を使うのも、新たな学びのために時間を使うのも、その人の自由ですが、とにかく「最初の一歩を踏み出せるかどうか」が分岐になるのではないでしょうか。「大目標を掲げ、小さく積み重ねる」。「一日0.1%でも成長すれば、一年間で36.5%成長する」。「できない理由より、できる理由を探す」。この覚悟と積み重ねが未来を変える。そう私は信じています。

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